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苺の栽培を始めて20年以上のベテランである近藤満雄さんと青木さんは、お互い先代からの長い信頼関係にある。近藤さんが育てる苺は、とよのかもあまおうも紅ほっぺも、口にしてみるといずれも豊潤で、味わいにメリハリがある。青木さんは近藤さんを『誠意で苺を育てる生産者』と評している。また、田形勲さんは、巨峰発祥の地でこの人の右に出る生産者はいないとまで言われる卓越した栽培技術を誇り、皇室献上の栄誉にあずかったこともある。青木さんは、そんな彼らが育てた高値が付く果物を、あえて氷菓にする。それは、果物店主としての生産者への思いの強さゆえのことだった。
果物は、デリケートな商品である。輸送に弱く、せっかく極限まで甘みを引き出したところで収穫したとしても、小さな傷が付いただけで食味が落ちたり価値が半減する。それを目の当たりにしてきた青木さんが、なんとかして最も甘美な一瞬をそのまま届ける方法はないかと、思案した結果がジェラートであり、果物アイスだったのだ。 |
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フルーツジュースやアイスには、キズものや生食に不向きなものを使用した商品が多いなか、店頭で高値が付く果物を使用するだけでも、味に雲泥の差が現れるはずなのに、青木さんはさらに果物の美味しさを閉じ込めるために可能な限りの手間をかける。例えば、田形さんの巨峰は、二つに割って種を中から掻きだして果肉を搾りシャーベットにする。一粒残らず手作業で、だ。果物アイスに使用するオレンジも、果肉を美味しく閉じ込めるために一房ごとナイフで切り出していく。
通年商品の果物アイスは、その季節の果物を使用するため、夏と冬では多少味わいが違うが、それはフレッシュな果物を使っている何よりの証拠なのだ。果樹農家の努力を詰め込み、青木さんの思いを練り込んだジェラートと果物アイスクリームには、『季節』がそのまま活きている。
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| 巨峰の栽培で右に出る人はいないといわれる田形勲さん。 |
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| 左は苺農家の近藤満雄さん。青木さんは農家のもとに足を運ぶときが一番楽しいと話す。 |
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