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こだわりの食を求めて 取材日記

2004/05/21 ちりめん山椒 その2

お惣菜の工場にあるような大釜ではなく、自宅にもあるくらいのお鍋でクツクツと炊き上げる、女将さんのちりめん山椒。山椒がピリッと効いて、噛むたびにおじゃこの旨みが口にふわっと広がってとても美味しいんです。しかし、その美味しさの影には、食べる側にはなかなか伝わらない、細かな努力があるんでございます。

京都『こと路』を取材しているときのこと。女将の中西さんに炊き上がったちりめん山椒を試食させていただいたあと、商品に使用している原材料をみせていただくことに。九州産と書かれた箱のなかから、テーブルに広げられたおじゃこは小振りで、よく見るとキュッと身が締まっている。「ここのおじゃこはね、しっかりと乾燥してあるんですぅ。それにね、うちに送ってくるときにちゃんと検品してくれて悪いのは随分とはじいてくれているんですけどね」「でも、それでもほらな、こうして切れてるものも中にはあるから、それは、うちらで全部取り除いてるんですぅ」といいながら、中西さんは眼鏡をかけて小さなおじゃこの中から身が切れているものなどを、丁寧にはじきだしている。

また、たっぷりと使う山椒は、旬の時期に大量に仕入れたものを冷凍しておいて、順繰りに使っていきます。その際、口に入ったときに実についた茎の部分が食味を邪魔しないよう茎を残さないよう丁寧にひとつひとつ、プチン、プチンと手作業で摘みとっている。なぁんという手間!炊く作業よりも、下処理の方が数十倍も手間ひまかかっているし、それも毎日こうやって見えない努力をしているなんて、恐れ入ります。

還暦を過ぎた身体で鍋を振るのは大変だと思うし、小さなおじゃこを選別する作業も山椒をプチプチと摘む作業も、決して楽ではない。なのに、中西さんは「みんなが美味しいとゆうてくれはるんでね」(^.^)と、嬉しそうにおっしゃる。わたしができることといったら、腰が痛いという中西さんの身体を遠くから案ずることと、多くの方にこの見えない努力をお伝えすることくらいですわ。中西さん、これからも美味しいちりめん山椒を作りつづけてくださいね。

〈取材・文 猪口由美〉
ちりめん山椒 小セット
ちりめん山椒 大セット

取材時の写真

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