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こだわりの食を求めて 取材日記

2004/07/02 ひおうぎ貝<その2>

片道4時間弱のレンタカー独り旅。肩は凝る凝る、腰はパンパン。それくらい遠いところだからこそ、美味しいものに出会えることが多いのは、これまでの経験でよくわかっている。けど、ちと、ツライ。もう年なのかしら。そしてついに、たどり着いた漁港でひおうぎ貝の担当者を訪ね、とりあえずお茶を1杯ごちそうになり、まだ日が高いうちにひおうぎ貝の待つ海に、舟ででかけることに。

案内してくれるのは、ひおうぎ貝生産者の組合長、織田若一さん。話をしていて伝わってくるのは、ひおうぎ貝が大好きで仕方ないってこと。大切に丁寧に育てているのが、よくわかります。『それでは海にでましょうか』といって、織田さんのあとに続いて、作業場から舟までの渡し板のうえを歩いていて、ふと、気づいて思わず、うっそぉ!!沖縄どころか、海外のリゾートに勝負を挑んでも負けないほどの限りなく透明で碧い、あまりにも、あ・ま・り・に・も美しい海があたくしの足元に、すっこーん、と広がっているのであります。はるか下にいる魚がはっきりと見てとれる様は、まるで潜ってないのに、ダイビングしているような気分。

さらに、舟に乗ろうとした瞬間、海の中にでーっかい影がゆぅらゆぅらと現れ、な、なんだろうと覗き込むとな、なんと、かなり大きなマンタが、悠然と泳いでるっ。沖にもでてないっちゅーのに、沖縄で潜ってもなかなか出会えないシロモノのに。ここは、なんちゅう海や。そんなわたしの大騒ぎをヨソに、織田さんは『あぁ、マンタだねぇ』『この海に初めて来た人は、みんな綺麗だってびっくりするけど、ここに住んでる我々には、当たり前の海なんだけどね』(^^)『このあたりは、真珠の養殖場がたくさんあるんだよ。真珠を抱えるあこや貝は、ものすごく繊細だから少しでも海が汚れると、すぐに死ぬんよね。だからこの辺では海が綺麗なのが当たり前だし、そうじゃなきゃ大変なことになる』そして、その綺麗な海の恩恵を受けながら、すくすくと育っているのが、ひおうぎ貝なのであります。

ひおうぎ貝の種はすべて天然モノ。毎年6月の中旬に杉の木の枝を束にして、沖あいの海に沈めると、そこに1cm前後のひおうぎ貝が付着し、そのままプランクトンなどを餌にして成長していくのです。それを数ヵ月後に回収し、4、50cm四方の網のなかに移しゆったりと育つのを待って、直系が6〜8cm以上に育ったところで出荷するという流れ。養殖といえど、餌を与えるわけではなくましてや、あこや貝を育てている、綺麗きわまりない海に抗生物質など投与できるハズはなし。

そして、なんてったって、ひおうぎ貝は旨いのだ!貝柱の旨みの強さといい、貝のヒモのコリッとした歯ごたえといい焼いても香ばしく磯の香りが漂うし、薄味で煮てもこれまた宜し。海から揚がってきたばかりのひおうぎ貝は、藤壺や海藻がくっついているのですが、出荷前には1枚1枚きれいに磨き上げていますから、お届けするのは、きれいなものばかり。色鮮やかなので、食べ終わった後は家庭菜園の飾りなんかにも使える、便利な貝殻。これからの季節、バーベキューやキャンプに持っていくと子供たちも大喜び間違いなしですよ!

〈取材・文 猪口由美〉
ひおうぎ貝 20個入り
ひおうぎ貝 30個入り

取材時の写真

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