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こだわりの食を求めて 取材日記

2004/02/13 高木さんのコシヒカリ<その1>

わたしの携帯に定期的に届く、実家からの請求メール。『米がなくなります。至急送ってください』わたしは「セコムの食」のカタログを実家にも送っていて家族が食べたいというものを、折をみては贈っているんです。特に、毎日食べるお米に関しては、娘としても美味しいものを食べて欲しいですから、米びつが空になる前に連絡をくれるようにと伝えてあるんです。それで、先日もお米を申し込んだのですが、すると珍しいことに福岡の母から電話が入りました。『あ、ゆみ?今度の米は、美味しいねぇ〜。美味しいばい』とえらい勢いで、褒め言葉を連発している。
『そうね。よかったよかった。今度の米は、富山のコシヒカリよ。気に入ったんならよかった』
『甘いとよね、ご飯が』
『でも前のお米も美味しかったろも?』
『うん、いつも美味しいばい。でも今度のはいつもよりか美味しい!』
『そんなに美味しいって、ちなみにどんな風に美味しいと思うん?』
『どうって言われても、わからんばってん、とにかく甘いと。ご飯が。好きばい』
『わかったわかった。また送るけん、なくなったら連絡して』
『そうね、ありがとね。でも、この前お願いした長崎ちゃんぽんはまだ届かんばい』
『へ?だってこの前、届いたって言いよったやん』
『あ、1回目は届いたばい。美味しかったよ。でも、2回目がまだ来んとよね。待っとるけん』
『・・・はぁ。』
『それから、お母さんが柿が好物なの、知っとるやろ?あんぽ柿は美味しいと?』
『当たり前やん。めちゃくちゃ評判いいけど、それって送れってこと?』
『お母さん、柿は好きなんよねぇ。あんた知っとるやろ。お母さんの好物』
『あー、もうわかったよ。そのうち送るから。じゃぁね、もう切るよ。』
まぁ、母の語彙の少なさと厚かましさはいつものこととしても、今度のお米が相当気に入ったことは十分伝わってきて、贈り主としては嬉しい限り。わたしたちスタッフは「セコムの食」でご紹介するお米を探すために相当数のお米を試食してきましたが、この高木さんのコシヒカリは確かに、カタログに掲載しているお米のなかでも甘みが秀でている。それも口に入れてかみ始めた瞬間から甘い。お米によっては、噛んでいくうちに甘みが広がるものや逆に、あまり甘みやコクを主張しすぎないような味わいのものもあってどれがいいかは、食べる人の好みになるのですが、うちの母にとっては、甘みを全面に感じる「高木さんのコシヒカリ」が、とても好みだったようです。

その高木さんの田圃の取材に行ったのは、ちょうど夏の時期。いつもは晴れオンナのわたしだけど、この日の富山は、今にも雨が降りそうな曇天。こりゃ、急いで向かわないと、仕事にならんがね。空港でレンタカーをピックアップし、高速をひた走ること、約1時間少々。車はのんびりした田舎町に到着し、まずは高木さんに挨拶。立ち話もなんだから、と案内された倉庫の中には、収穫したばかりの玉葱が山積され、その隙間には学習机用とおぼしきヨレヨレの椅子が2つ、放置してある。その椅子の埃を高木さんがタオルでぬぐい、より綺麗な方をわたしに薦めてくれた。座るとキコキコ音がして少々不安定ながらも、約30分ほど取材を行ったあと自慢の田圃に向かうことに。

しかしながら外にでると、空はますます鉛色。ま、まずい〜。高木さん、急ぎましょう!


つづく。

〈取材・文 猪口由美〉
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