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こだわりの食を求めて 取材日記

2006/09/15 つち鯨のベーコン<その2>

今年、千葉の和田港に水揚げを許可されているツチクジラの最後の一頭が捕獲されたという電話を受けたのは、夜8時をまわったところ。

それから慌てて準備をして、現地に着いたのは深夜3時すぎ、それから約2時間半かけて、クジラの解体を取材しました。

電動式のチェーンで引き上げられたクジラは、老若入り混じった職人たちが手にした、ナギナタのような切れ味が鋭いなんてもんじゃない刃で、シャーーッ、シャーーッと鮮やかに切っていく。

周囲には、陸の動物と魚の臭いをあわせたような、生臭く荒々しい臭気が広がり、海水と入り混じった血が、体内から吐き出される。

馬の解体も取材した経験があるわたしにとっては、そう驚くことはない光景なのだけど、わたしの隣には両親に連れられてクジラの解体を見に来ている、子供たちがたくさんいる。

彼らは、この現場をどう感じているんだろう?と思って子供たちを見てみると、これがとっても真剣に目をそむけることなくしっかりと見入っている。


「夏休みの自由研究」の課題にするんだ、という声も聞かれ「かわいそう」でもなく「汚い」でもなく、みんなまっすぐな目でクジラの命の行方を見守っている。


クジラの解体が始まる前に、この海産会社の社長さんを取材させてもらったとき、こんな話をしてくれました。


『動物の解体の現場はグロテスクだから、多くの場合みんな隠そうとする。でも、魚が蒲鉾板に乗って泳いでいると思っているような子供がいる世の中は、絶対におかしい』

『ウチがクジラの解体を公開しているのは、食べ物は全て他の生物の命をもらったものなんだということを伝えたいからなんだよね』

 
この日の子供たちの顔を見る限り、社長さんの思いは、きちんと伝わっているんだろうと思う。


わたしは、海や畑や加工場など、これまで数え切れないほど取材をしてきましたが、いつも思っているのは、「生産現場」と「食べる側」との距離が遠すぎるということ。


確かにお金を出したら、食べ物は容易に手に入るけど、そこに食べることが出来ることへの感謝を忘れちゃいけないと思うんです。
 

命に対する感謝もそうだし、作ってくれる人への感謝だってそう。
お母さんや奥さんが作ってくれたご飯を「口に合わないから」って平気で捨てるなんてこと、フツーはしないですよね?

わたしが出会ってきた生産者や職人たちは、ホントに生真面目に食べ物と向かい合っています。

彼らが作った商品にも、お母さんが作ってくれるご飯と同じような思いをもっていただけたら、とっても嬉しいなぁ〜。(*^.^*)


この、今年最後のクジラの解体が終わったのは、もう夜がすっかり明けていて、睡眠第一のわたしの身体はもうボロ雑巾のよう。

しかしながら、とっても充実した取材に気持ちは満足。
自宅に帰って、冷やしておいたビールをシュポッと開け、数日前に取材した農家さんからいただいた「最高に甘い桃」を朝食代わりに「一人乾杯」で、長い一日を終えたのでした。
 
おしまい!

〈取材・文 猪口由美〉
つち鯨のベーコン

取材時の写真

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