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こだわりの食を求めて 取材日記

2006/12/15 漆山さんの柚子まき柿子<その1>

わたしは、仕事のスケジュールが入る度に、会社の机の上の小さなカレンダーに予定を書き加えていくのが習慣なんです。

自分にしか読めない雑な文字で、各地の地名や生産者の名前を書き加えていくのですが、先日は2006年12月のカレンダーに真っ先に書き込まれた生産者を取材してきました。

正直言うと、わたし子供の頃は干し柿が大嫌いだったんです。ベタッと甘くてくにゃっとした食感が、どうにも馴染めなかったし、大人になってもその思いは同じでした。

しかし、この柚子巻き柿を初めて口にしたとたん、あれだけ避けてきた干し柿に対しての偏見が、ウソのように消えてしまったんです。

「え?なにこれ。おいしすぎる!」

砂糖を使ってんじゃないの?と思うほど甘いけど、その甘さがまさに大地の恵みを思わせるし、食感もしゃんと引き締まっている。

それに干し柿のなかに巻いてある柚子とくるみが、抜群の立ち位置で干し柿の甘さを支えているんです。

こっ、これはナンなんだぁ!あんなに嫌いだった干し柿に感動してしまうなんて、そんなこと考えたこともなかった。

わたしは早速、生産者であり農家の漆山さんに連絡をいれて、一路山形に向かい、数は少ないものの、数量を確保。

しかしながら、その頃はまだ夏だったので、干し柿と柚子巻き柿の生産の両方を観ることができる時期に再度取材に伺うことにしていたんで、今週待ちに待った取材に向かうことになったんです。

新幹線に揺られること、約3時間。

山形のちいさな温泉街からさらに10分ほど車を走らせたところにある、漆山さんの自宅に向かうと、軒先には数え切れないほどの吊るし柿が干してあり、まさに田舎の農家然とした風景が目に飛び込んでくる。

「こんにちは!」と作業場のドアを開け中に入ると、そこでは漆山さんが縄に吊るした干し柿の出来を確認しているところでした。

殺菌と発色の効果があるという硫黄で燻蒸をしていないから、他の干し柿と比べて色が茶色いものの、その姿はとても愛嬌がありなんだか干し柿の一つ一つがニコニコしている感じ。

子供の頃のイメージにある“しょぼくれた”ような印象が、全くないのが不思議。

漆山家では、干し柿にするまでの作業はご主人の輝彦さんが、そして柚子まき柿にする作業は奥さんの啓子さんが担当しているとのこと。

それでは、完成した干し柿を使って、柚子巻き柿を作ってみせていただけますか?とお願いして、選別場の奥にある柚子巻き柿の作業場に入って驚いた!

「うぁぁ!なぁんていい香り!」


・・・・つづく


〈取材・文 猪口由美〉
漆山さんのゆずまき柿 1本
漆山さんのゆずまき柿 2本

取材時の写真

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