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こだわりの食を求めて 取材日記

2007/03/09 石垣牛カレー<その1>

「これまで取材してきた土地のなかで、好きなところはどこですか?」

日本全国、旅を続けているわたしは、よくこんな質問を受けます。出身地である福岡と今住んでいる東京を除くとして、すぐに思い浮かぶのは、金沢から能登のあたり、神戸。

そして一番好きといっても過言ではないのが、石垣島なんです。何ていうのかなぁ、石垣島は独特の空気が流れていて、そこにいるだけで気持ちが落ち着くんですよねぇ。

今週はその石垣島で育つ牛を取材してきたときの日記です。春とはいえ、この日は冬が舞い戻ってきたかのような寒さ、そして小雨。薄着のわたしにとっては、ちと辛い。

でも今日は念願だった石垣牛を育てている生産者と会えるとあって、うきうきしながら集合場所である、とある居酒屋に向かいました。郷にいれば郷に従え。沖縄のひと達との友好関係は、酒の席から始まるんだなぁ、いつも。

この日のメンバーは、石垣牛の生産農家の美崎さんと美崎さんの牛肉の販売を一手に引き受けている砂川さん。それから有名なホテルの調理長を長く務めた敏腕シェフとわたしの4名。

美崎さんは牛の世話が長引いたとのことで1時間ほど遅れての登場。
南国の青年らしい爽やかな笑顔が印象的でした。

仕事の集まりとはいえ、カタイ話はなく、彼らはいかに石垣島が素晴らしい島か、自分たちが島を愛しているかを賑やかに語っていく。

わたしも負けじと「わたしもリタイアしてからは、ココに住みたいと思っているんですよ」とはなすと、
『それなら、知り合いに土地持っているのがいるから、安く買えるように話してあげるよ』。 わたくし、思わず身を乗り出しそうになりました。

その席でわたしは、以前からずっと気になっていたことを質問してみたんです。

「わたし沖縄の食べ物って大好きなんですけど、ヤギ汁だけはどーしてもダメなんです。皆さんは、ヤギ汁をよく食べられるんですか?」

『もしかして、○○って店に行った?あーやっぱり。あそこはね、違うんだよ。いのくちさん、ホントにおいしいヤギ汁食べたい?』

「はい!」

すると敏腕シェフはおもむろに自宅に電話をかけ 「おーい、ヤギ持ってきて!」

それから10分も経たないうちに店に届けられたものを手にしたシェフは、それをキッチンに持ち込み、わたしのために一杯のヤギ汁を作ってくれたんです。

ありがたくお椀を受け取り、まずはそーっと汁を飲んでみると、、、
「わぁ、おいしい!この前食べたのと違いますよ!」

『石垣島にはね、あまりヤギを食べる文化がないんだよ。ヤギを食べるのは○○って島で、そこのヤギは、海水をたっぷりと含んだ草を食べて育つから臭みもないし、おいしいんだよ』

『いのくちさんが食べてるのはね、その島のヤギだよ。それにほら、こうやってフーチバを入れると、また味が変わって面白いだろ』

すっごーい!さすが敏腕シェフ! それから宴はさらに盛り上がり、遅れて参加した美崎さんが我々の勢いに追いついてからはもう、自らが育てる牛についての思いを、熱く熱く語り続けるのです。

わかった、わかった! そんなに熱く語らなくても、美崎さんが育てる牛のおいしさは、石垣牛カレーを食べたときからわかってますから!
とにかく明日、牛舎の取材を楽しみにしてますから、よろしくお願いしますね!!

つづく。

〈取材・文 猪口由美〉
石垣牛カレー

取材時の写真

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