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こだわりの食を求めて 取材日記

2007/11/16 枉駕亭の薫製、スペアリブ

わたしは、これまでに約1200人以上の職人や生産者を取材して来ました。 皆さん、ホントに個性的でユニークな方が多いのですが、しかしながら、こんな電話をかけてくる職人は、1人しかいない。

『もしもし。オツボネのゆみちゃんかね?』

「またぁ。何ですか、もう!今日はどんな用事ですか!」(ーー;

『いや、用事っていう用事はないんやけどね』

「ったく、もう。何ですか?今日は?どんなご用件?」

「セコムの食」のなかでも超とびきり職人肌で、かつ、実は繊細な神経の持ち主でもある枉駕亭(おうがてい)の主、江崎さん。

江崎さんは、40代で燻製職人に転身した経緯を持つ方で、「セコムの食」とは、創刊号からの付き合いになる、 深いかかわりを持つ生産者なんです。

それに「セコムの食」の職人のなかでも、とりわけ一途な思いを持って商品を作っている職人を取り上げて、 カタログやWebで記事にしている『こだわり倶楽部』の、第1回目の主人公なんです。

わたしが江崎さんに最初にお会いしたのは、2001年秋。

第一印象は、寡黙で淡々としたイメージだったのですが、いざ、取材をしてみると、喋るわ喋るわ。商品のことを話し出したら、 も〜、止まらない。

翌日の取材開始が早朝4時からだというのに、時計が0時をまわっても、話し続けるんだもん。 その時はもう、涙が出そうでしたよ。 (@_@;)

でも燻製の取材なのに、どうして取材開始が4時なのかというと、江崎さんが、燻製窯に火を入れるのが、早朝4時過ぎだからなんです。

自身が納得した新鮮な国産豚を使用し、丁寧に塩や香辛料を摺りこみ、じーっくりと数日間かけて熟成を加えた肉は、 畳1畳弱の燻製窯で12時間以上かけて燻されていくのですが、このときの熱源というのが、なんと炭火。

一般的には、電気やガスなんです。 熱源は。だって、そうじゃないとコントロールできないですもん。

炭火の場合「やばい、熱くなってきた」って温度を下げようとしても、まず無理。

さらにその煙までコントロールして燻製を作るなんていうのは、並大抵の技術や労力では出来ない。

そんなことをやろうと考える人は、よほどの変人なんですよ、
きっと。(^^;江崎さんくらいですよ。燻製窯だって、当然、特注だしね。

だけどね、仕込みの時からぴったりと江崎さんに張り付いて取材を続け、早朝4時に窯入れした肉が 12時間以上後に、極上の燻製に変化して窯から出てきたときには、褐色に輝いていて食品というより、作品。

余分な脂を落とした肉は、窯入れのときの3分の2ほどに縮み、その代わり、旨みとコクがギュッと凝縮し、 炭火でしか出しえない燻製の香りが、旨みをクルクルッと包み込んでいる。 

『出来たては、旨いよ〜』といわれて、食べさせてもらったスペアリブの美味しさは、涙もの。

同行していた上司のヨシダさんなんかは、こちらが取材しているというのに、そんなの完全無視して、 ものすごい勢いでスペアリブを食べ続けていました。

今週、その江崎さんに会いに行ってきたのですが、いやぁ、相変わらず口が悪かった。(^^;

だけど、江崎さんが作る燻製は、ホントに美味しくて子供に食べさせるのは、もったいないくらい大人仕様の味なんです。

特に、スペアリブはね、個人的には五つ星商品。燻製好きの方、是非、オススメします!

〈取材・文 猪口由美〉
江崎さんのことを記事にした『こだわり倶楽部は』は、こちら

枉駕亭の燻製2種詰め合わせ
枉駕亭の燻製3種詰め合わせ
枉駕亭のスペアリブ 3本
枉駕亭のスペアリブ 5本

取材時の写真

取材時の写真

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