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こだわりの食を求めて 取材日記

2008/07/11 青木さんの香り高い燻製〈その2〉

感動的に美味しいベーコンとソーセージ。こんな美味しい燻製を作る職人は、絶対ヘンクツに違いない、 と思ったら、その勘は見事に的中。

いやはや、面白い取材でございました。

燻製を求めて向かったのは、島根県の出雲大社近くに住んでいる燻製職人・青木章さんの工房。

工房には商品を販売するためのスペースはなく、ついでに呼び鈴も見当たらなかったため、「こんにちは〜」と叫ぶも返答なし。

仕方なく裏手に回って工房の引き戸を開けようかと迷っていたところに、工房の奥から現れた青木さんと鉢合わせになった。

慌てて挨拶をして、名刺を渡そうとすると「座んなさい」と愛想があるとは言いがたい顔で、燻製庫の近くに立て付けてある 長椅子を指される。 ← わたし、まだ名刺もったまま。(^^;

そして、そのままわたしに背を向け、燻製庫に身体を向け、火加減を調整し始めた。

なんという、マイペース! それに、この白々した空気。

こ、これは、わたしがこれまでに何度も出くわした、「生粋の職人」を取材するときの空気感だ!

この空気にさらされたときには、もう相手の職人にすべてを任せて、わたしはひたすら彼のペースに合わせるに限る。

わたしは、手にもっていた名刺を、そーっとケースに仕舞いこんで、長椅子にちょこんと座った。

と、青木さんが、口を開いた。

『燻製職人というのは副業で、本業は火山研究家なんだよね』

「え?火山?って、あの火山?  の、、研究家?」

『そう、火山』

「え〜っと。 それってどんな研究するんですか?」

それからの青木さんは、それまでの無口さがウソのようによく喋った。

青木さんと火山との出会いに始まり、どのように魅了されたか、これまでどこに行き、どんなことをしてきたか。

延々2時間以上、ひたすら火山の話。

ボツボツと、しかしながら情熱を込めて、火山の話を聞かされた。

最初は、一体どうなることやらと思っていたものの、青木さんの火山話はとてもユニークで面白く、あまりにもマニアック。

その型に全くはまらない生き様は、時間が経つのを忘れるくらいだったけど、自分がここに何をしに来たかは、 さすがにわたしも忘れちゃいなかった。

青木さんの火山に対する熱い思いがひと段落した頃を見計らって、こちらもボツボツ、燻製に関する質問をしてみた。

「あの〜。で、燻製を作り始めたのは、どうしてなんですか?」

『なんとなくだな』

「なんとなく?」

『ま、考えてみりゃ同じ火だしな』

「なるほど〜。じゃぁ、その辺もうちょっと詳しくお伺いしますね」

『話すことなんか、ないんだけどね』

「い〜え、あります!あれだけ美味しいんですから。じゃ、まずこの立派なレンガの燻製庫の話しからお願いします!」

そして、やっと取材に突入。  で、納得!

「なるほど〜。だから美味しいんだ〜!」 

・・・つづく。

〈取材・文 猪口由美〉
青木さんの燻製ソーセージ 4袋
青木さんの燻製ベーコン 2袋
青木さんの燻製ベーコン・セミドライソーセージ

取材時の写真

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