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こだわりの食を求めて 取材日記

2014/4/18 純と誠二のオイル牡蠣

かきに込めた思い

2014年2月上旬、岩手の生産者さんが会社に訪ねていらっしゃいました。府金伸治さんは岩手県産の豚肉や短角牛を使った商品を作られていて、その誠実さが長年のお取り引きのなかで十分に伝わってくる生産者さんです。
商品を持参するということだったのですが、果たしてそれは牡蠣をオイル漬けにしたものでした。肉が専門の府金さんがどうして?そう思っていたところ、いつものように穏やかな口調で「ほんとに出来たばかりですが、まずは最初に見てもらいたくて」と話し始められました。

牡蠣のオイル漬けは、同じ岩手の山田町で牡蠣の養殖をしている2軒の漁師さんが育てたもので漁師さん達はご近所で旧知の仲。息子の純(あつし)さんと誠二さんは、年が一つしか離れていないこともあり、とても仲の良い幼なじみでした。

中学時代、二人は赴任して来た先生の影響でホッケーに夢中になり県内でも有数の強豪高にそろって合格、誠二さんは山間部にある高校に通うため、学生を受け入れていた府金さんの自宅に下宿することになり、それがきっかけで10年以上にわたるご縁になっていきました。

夏には誠二さんの実家に府金さん家族が訪ね、真っ黒になるまで海遊びをして歓声をあげ、何か美味しいものが手に入ったらお互いの家に送り合い、親戚以上の付き合いを続けていました。

成人した純さんと誠二さんは、それぞれ家業を継ぐために牡蠣漁師となり経験を積むなかで、周りからの勧めもあり盛岡市材木町で毎週土曜に開かれる「よ市」に出店するようになりました。

水揚げしたばかりの新鮮な牡蠣は海から遠い盛岡の人たちに喜ばれ、トラックで運び店に並べると人だかりが出来ました。途中からは、純さんのお母さんのレシピをもとにアレンジした牡蠣のオイル漬けを作り、これがまた人気で毎回あっという間に売り切れていました。

天真爛漫な2人の性格は多くの人に愛されていましたし、誠二さんは子供たちに特に人気で、「よ市」のたびに屋台の前に子供達が集まってきていたそうです。

そんな平和な時間と2人の青年を奪っていったのは、あの震災と津波でした。

府金さんは、自身や店が被災したにもかかわらず自宅に電気が復旧して間もなく、山田町に向かいました。食べものに困っているだろうと車に食料を詰め込み、何より誠二さんが心配で、海沿いの避難所を探し回りました。

「どうしようもない無力感だった」
府金さんはあのときの気持ちを振り返って、そう言いました。それでも「同じ岩手の海沿いが大変な思いをしているのだから、山の人間が頑張らねば」という強い思いだけで震災以降、岩手の復興のため公私ともにひたすら尽力されてきました。

全国を巡って岩手県産品をアピールし、自分の商品はおいといて周りの生産者の商品を紹介していく、そんななかで知り合ったのが菊池政洋さんでした。

菊池さんは県職員として農業や漁業を支援していくなかで府金さんと知り合いました。あるとき、材木町の「よ市」の話題になり偶然にも菊池さんは純さんと誠二さんのことを知っていたことが分かりました。彼らが「よ市」で人気者だったこと、生牡蠣やオイル漬けのことも知っていました。

菊池さんと彼らの話をするたびに、府金さんは山田町で暮らす誠二さんのご家族のことを思わずにはいられませんでした。自分とは比べものにならないほどの深い悲しみのなかにいるご両親に少しでも穏やかな気持ちになってもらえれば。志なかばで去らなければならなかった彼らの思いや彼ら自身のことを忘れないためのものを残したい。それがご両親たちのこれからも人生の励みになれば。そんな思いを重ねたある日、府金さんは誠二さんのご両親の元を訪ねました。

「誠二と純くんが作っていた牡蠣のオイル漬けを、一緒に作らせてもらえませんか」

最初戸惑いはあったものの、府金さんの思いを知る誠二さんのご両親は少し時間をおいたあとに了承され、純さんのご両親もまた思いを受けてくれました。2013年秋のことでした。

それから少しずつ思いが形になっていきました。瓶は養殖網につけて海に浮かべる浮き玉をイメージしたものにこだわりました。「彼らは漁師だから、それが伝わるものにしたい」と、菊池さんは丸い形状の瓶を仕事の合間に探し歩き、今の瓶にたどり着きました。

瓶に編みを掛ける作業を依頼したのは岩手の授産施設の方々。作業する彼らにとってもこの商品が励みになるようにという思いでお願いしました。三陸の人たちが震災によって受けた傷は、周りが理解しようとしても決して理解できません。痛みの大きさも深さもまた、みんな違います。

この商品を通じて、少しでも多くの方がたとえ短い時間でも健やかな気持ちになれるよう、それが府金さんを始めとする、携わる全ての人たちの思いです。

山田町の牡蠣小屋でお会いした誠二さんと純さんのご両親は、皆さんとてもお元気でした。その笑顔にこちらが癒されるほどでした。その強さをこの商品を通じて伝えていければと思っています。

純さんと誠二さんのことを知らない人にも「すごくおいしい」と言ってもらえる牡蠣のオイル漬け。大切に育てていきたいと思います。

〈取材・文 猪口由美〉
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純と誠二のオイル牡蠣

三陸の海に牡蠣の養殖筏が戻ってきました。
大粒で濃厚な味わいが特徴の山田町の牡蠣。
軽く炒って旨みをなかに閉じ込めています。

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